朝、10時に宿を出た。
「今日は、ガイド付きの女の子が一緒に行くから帰りはその子と一緒に乗って帰ってきて」って言われた。
この子は、ガイド付きでオリサバに挑戦するらしい。

今日もオリサバがよく見える。

オリサバのBCとなるピエデロ・グランデ小屋(標高4,200m)には4駆でしか行けないらしい。
正直、4駆を借りて自走で行こうかと考えたけど、入山だけに4駆を借りるのはお金が勿体無いのでやめた。
でも、やめて良かったと道を見て思った。
想像以上の悪路でデコボコやけど運転技術よりも道が複雑すぎた。
一応、木の幹に矢印が書いてあるけど、すれ違う時のルールがあるみたい。

トラチェチュカの村からピエデロ・グランデ小屋まで2時間掛かった(笑)


到着して、良さげなところにテントを建てた。

パッキングも終えたので、13時ごろ高度順応を兼ねて下見に出かけた。
出国前にまさかのコロナ疾患が原因で、富士山で行う高度順応が出来ていない。そんなこともあり、少しでも順応しておきたかった。
とりあえず標高4,800mくらいか、2時間くらいで行けるところまで行くつもりで出発した。


小屋から氷河取り付きまでの間にテン場適地がたくさんある。
さすがに4,000m越えると肺の違和感が分かる。これもコロナ影響かもしれないので、意識してゆっくり登ることにした。
結局、2時間では4,700mまで行けたけど、夕飯を食べて早々に寝る必要があるので下山を開始した。

しかしマミーが手渡してくれた夕飯に食欲が沸かない。
少し食べたけどほとんどを残した。
そして、深夜0時、予定通り起きて準備を整え出発した。
先行の2名は一緒に来た子とガイドのようで、抜きつ、抜かれつ。そうこうしていたら後ろから更に2名が来て、今日のプッシュは5人となった。
後から来た2人は早くないけど淡々としたペースで登っていく。
5,000m越えたくらいからアイゼンを履いた。
風が強く寒いのでダウンも着た。

やっと夜が開けた。これで少し暖かくなればいいけど。
ガイドと女の子はペースが遅い。少し進んでは休み、を繰り返している。
一方の俺は俺でまあまあしんどい。肺が苦しくて呼吸を整えても整わずツラい。
オリサバは技術的に難しくないから、歩いたら着くんやけど、そもそも歩けなくなってきた。
眩暈がして肺が痛い。そして、ミスできない斜度になってきた。
10歩ずつ登っては休んだ。ふと下を見るとガイド付き女子はずっと同じ場所で止まっていた。あのペースでオリサバに登れるんかな?って、思っていたら次見た時は下山を開始していた。
おれもツラい。風が強くて寒いし、朝日が眩しいのにグラサンを出せる余裕はなかったし。
そして順応出来てないから意識が飛び掛けている。と思ったら、足を滑らせ滑落し掛けた。
意識をしっかり保たなければ事故るけど、その後も数回意識が飛んだ。
そうこうしていたら2人が降りてきた。その2人は登りに通ったルートと違うルートで降っている。
それを見て、今2人が降っているところにトレースがあると分かったので、直登をやめて左上することにした。
予想通りトレースがあった。標高的にあと100mくらいで山頂のはずが違った(笑)
山頂と思って乗越した所は山頂ではなく、付近は尾根状になっていて山頂まで尾根歩きが残っていた。



大した標高ではないのに肺が苦しい。きっと出国前のコロナ影響かもしれない。時間は9時前。この乗越しで休憩することにした。


そして、9時半、山頂に着いた。正直こんなに苦戦するとは思ってなかった。

降りも大変で、カリカリの雪面を引っ掛けないように降り続けるしかない。
これがめちゃくちゃ長かった。で、一息つけるところまで降りて来たので行動食を食べて紅茶を飲んで。
でもまたトラブル。ペットボトルを踏んでしまった。アイゼンで(笑)
当然水は流れたので、流れる前にほんの少し飲んだ。
この出来事が原因でテントまでフラッフラになってやっと辿り着けた。
そしてテントを撤収して、ピエデロ・グランデ小屋に行ったらガイド付き女子はいなかった(笑)
え?おれどうやって帰るん??って悩み、付近に相談したらトラチチュカまで乗せてくれた。
宿に戻ったら「あの子は2回目の挑戦で、今回も登頂出来なかった」って言っていた。
それにして今夜はめちゃくちゃ寒く6℃らしい。
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