夕食後から数時間寝ただけでは眠った気がしませんね。
エクアドルに入国してから今日までレンタカーを運転して長時間移動しているか、山に登っているかのどちらかでゆっくり休めていません(笑)
カヤンベ再挑戦の夜。
前回よりも風が強いです。
烈風のレベルだと思います。
相変わらず岩峰の道が分からないし・・・。
リタイヤした前回と違い、今回特に意識したことは、
・ペースを乱さないこと。
・糖分をこまめに摂ること。
・行動食をこまめに食べること。
・眠たいときは寝ること。
真っ暗な中で烈風が駆け抜ける音やクレバスが開く音に相変わらずビクビクしながら登りました。
クレバスの間を風が抜ける音とかマジ怖いですよ・・・。
夜明けとともに見慣れた風景が見えてきました。
5,300m・・・
5,350m・・・
徐々に近づいてきました。
そして、
5,400m・・・。
ん??
何ともない。なんでやろ?
もしかしたら、おととい限界を味わった影響で身体の高度順応が一気に進んだのかもしれません。
そしてとうとう、撤退を決断した
5,580m!!
に、到達。
体力的にはまだまだ行けます。
時間的にもこの地点までの到達時刻が2時間も短縮できていました。
意識して糖分を摂ったこと、遅くてもペースを乱さなかったことも影響していると思います。
▲すでに山頂を踏んだグループが下山してきました。トレースの先の黒い点分かりますか?
行ける!
標高は、残り210m。
すでに山頂を踏んだ他の登山者とすれ違いつつ頂上を目指します。
すれ違う時にお互いのピッケルを鳴らすんです。
ハイタッチ的に。
『タカ、山頂はすぐそこだ!問題ない!がんばれ!』
ピッケルで指された先には真っ青な空を背にした山頂が見えていました。
逸る気持ちを抑え一歩一歩標高を上げて行きました。
ところが!!
それは突然きました。
標高5,650m付近。
例の倦怠感とめまい、吐き気、頭痛です。
あと、150mなのに・・・。
手が届くところまで来ているのに・・・。
いっきにペースが遅くなりました。
激しい息切れとめまい、吐き気・・・。
風が強くなり、気温が一気に下がり、服がみるみる凍って行きます。
あと少し・・・。
あと少し・・・。
泣きそうでした・・・本当に苦しいんです。
あと少し・・・
あと少し!
くるしい・・・酸素が入ってこない・・・
あと少し・・・
あと少し!
山小屋を出発してから10時間44分。
▲一瞬だけ晴れたその先には、見たことのない青い青い空が広がっていました。
標高5,790mのカヤンベ山頂に単身で立つことができました。
孤独で怖い長い長い時間でした。
たくさんの応援を受けて、
自分の限界を超えることができました。
本当にほんとうにありがとうございました!
下山中、自分が登ってきた場所を改めて見たのですがクレバスって怖いですね(笑)
▲クレバスがずぅ~~っと上まで割れているの分かりますか?せっかく登ってもこの距離を戻されたら心も折れますよね?(笑)
▲滑落したら、次はクレバスが口を開けて待ってるんです。怖いでしょ??
山頂から順調にくだり、山小屋まで帰ってくると、山小屋のみんなが
『タカ、どうだったんだ?いけたのか?』
『行けたのか?だいじょうぶか?』
「うん、行けた。登れたよ!!」
『みろ!こいつはソロで登ったぜ!!やっぱこいつはイカれた日本人だ(笑)』
各国から集まった登山家に祝福されてんけど、慣れてないので照れくさかったです(笑)
宿の主人の迎えでカヤンベの街に下山しました。
▲振り返ってみたカヤンベは初めて見た時と違ってとっても穏やかでした。
…
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