夜中はかなり冷えて、朝起きるとテントは夜露で濡れていた。
Grindelwald Grund駅発でEismeer駅を目指すんやけど、終点のKleine Scheidegg駅で乗り換え。
Jungfrau駅に向かう途中、5分だけ停車するEismeerで下車する。
帰りは、アイガーを通り過ぎてJungfrau駅から乗るので、Eismeerまで片道41CHF(約5,500円)を購入。
Eismeer駅に着くと、観光客はビューポイントから壮大な氷河の写真を撮るんやけど俺たちは違う。
1番から4番まであるビューポイントの4番にある扉に行く必要がある。
駅員に4番を聞くと、
「ロープは?アイゼンは?」といろいろ確認される。
駅員に連れられて、4番ビューポイントの扉まで行くと、駅員が
「幸運を!」
って送り出してくれた。
そんな俺たちを観光客が熱い眼差しで見てて、何かちょっと誇らしくなって
”よしっ!やってやるぞっ!”
て気分になった。
俺たちの挑戦は、寂しい扉を開けることから始まる。
この扉は、扉の向こうから吹き付ける風でめちゃくちゃ重い。
トンネルを進んで一番奥の扉を開くと外に出た。
扉付近で支度を整え、岩沿いの狭い棚伝いに降ると氷河の上に立つことができる。
ここからミッテルレギ稜の取り付きまで約3〜40分は落石が多い区間で有名。
とにかく早く抜けることを意識してスタートした時、
”ブンブンブンブンッヒュン”
って、落石が横を掠めていった。
「ヤバすぎるなっ!早よ行くぞっ!」
左上部に見えるミッテルレギ稜を警戒しながら氷河を横切った。
氷河には大きなクレバスが開いていて、特にデカいクレバスには橋が架かってた。
いよいよミッテルレギ稜に取り付く。
1ピッチ目はやや難しいが、小さいけどつま先を掛けるところはたくさんある。
50mロープいっぱいでピッチを切ると2ピッチで歩きになるんやけど、おれはロープ解くのが面倒で、確保間隔の25mで登った。
25mでも3ピッチで歩きになるから前後の登攀渋滞や、手間を考えて判断すればいいと思う。
2ピッチ目はクラックを利用した登りでみゆきちゃんに行かせた。
3ピッチ目はほぼ階段やけど、落ちると50m下の氷河まで滑落する。
終了点は分かりにくいけど、上がってすぐの場所にどデカいリングが打たれている。
おれはこれを見つけるのに時間が掛かった(笑)
以降はザレた道をトラバースしながら登って行く。
これがめちゃくちゃ怖い。
スラブ質の岩に細かい砂利が乗っていて足を置くとそのまま滑って行くんちゃうかと思って動きが鈍る。
写真では分かりにくいけど、歩けるところが”見える”様になるまで時間が掛かった。
ミッテルレギ小屋までのコースタイムは3時間やけど、おれらは4時間掛かった(笑)
この小屋に来た登山者みんなが強者に見えてビビる(笑)
お菓子が食べたくなってポテチを買ったら小さいのに4CHF(約540円)。
コーラは500mlで6CHF(約810円)。
18:00の夕食まで各々楽しんでいて、ボードゲームやジェンガ、会話を楽しんでた。
夕食はおかわりを頼めた。
スープ、サラダ、マッシュポテト、焼きたてハム、デザート。
全部おいしかった。
食べ終わってしばらくすると、オーナーが朝食の時間を聞きに来た。
朝食は4:15〜10人毎に時間をずらして決められている。
マッターホルンと同じで、地元のガイド、他のガイド、ガイドレス。
おれらは4:45〜になった。
軽食や飲み物はセルフサービスで飲んだり、買ったりした後、紙にメモってカウンターに置くシステム。
で、夕食後に宿泊料金と一緒に支払う。尚、現金のみ。
ふかふかの布団とマットがあって寝具は不要。
トイレは綺麗で、充電は無料で使用可能。
最近建て替えたれた小屋でその資金の多くを日本が出資したらしい。
丸太を利用して登頂した偉人で日本人、槙有垣さんが小屋を寄贈された話は有名ですよね♪