スノーバーを改造した話

スノーバーって分かりますか?

雪面に打ち込む杭なんですが、難易度の低い雪山登山では見かけないと思います。

自分でも、必要やなぁ~って感じたのは、バリエーションルートでした。

どういった場面で必要になってくるのか?
例えば、岩や木があれば、スリングを巻いて、カラビナをセットすることで、プロテクションが確保できます。
しかし、全てが雪で埋まった急斜面どうでしょうか?

もう、イメージ湧いたと思います。

雪面に打ち込んだらこんな感じ

雪のすぐ下に、氷があればアイススクリューを打ち込んで確保できます。

この記事を読んでいる人は、スノーバーの使い方を知っている人だと思うので、省略します。

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さて、このスノーバー、下方向に荷重が掛かると雪に食い込んでいく作りになっています。
しかし、その逆である上方向の荷重にはめちゃくちゃ弱いんです。

登攀中、上から下に滑落する事を想定したプロテクションにも関わらず”上方向の荷重に弱い??”って、想像出来ないかもしれませんが、図解してみると簡単です。


緑線が登攀中のロープを表していて斜面に沿っている思います。
しかし、フォロワーが登攀中に滑落したとしたら、赤線で表したロープのようにテンションが掛かりピンっと張った状態になります。

つまりランニング中に、スノーバーを活用する場合は、凸部を意識して設置する必要があります。
正しい使い方をすれば、強力なギアも、使い方を間違えると大事故に繋がります。

そこで、富山県警の山岳救助隊員が考案したと言われる、通常の30倍以上の力にも耐えられる方法を教えます。

やり方は、めちゃくちゃ簡単です。
スキーシールを貼るだけです。

スキーシールとは、スキー板の裏側に貼る滑り止めシートの事です。
バックカントリースキーなど、スキー板を履いたまま登行する際、毛が寝ている方向は抵抗が発生せず、滑りますが、逆方向に逆立った毛は抵抗を発生させ滑ります。
※)一般家庭でいうと、洋服の埃や、毛くずを取るエチケットブラシが正にそれです。

スキーシールをスノーバーに貼ることで、打ち込む時、つまり下方向にはスムーズに打ち込め、抜く方向、つまり上方向には、スキーシールが抵抗となって抜けにくくなります。

スキーシールの角を丸めて貼ると、剥がれ難くなります。

たったこれだけ!!

但し、スノーバーを回収する際は、ちょっとしたコツが要ります。
そのまま引っ張ってもまったく抜けないので、ピッケルや、ハンマー等で、スノーバーを前後に叩いて雪面にクリアランスを作ります。

そして、サっと抜くと簡単に回収する事ができます。

皆さんも試してみてください☆

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