前回、”バリエーションルート槍ヶ岳西稜”はここをクリック。
いよいよ、槍ヶ岳の穂先を目指します。
また、子槍のコルに登って、まずは曾孫槍へ。
コルからしばらくは細いリッジ沿いで、曾孫槍ピーク直下は緩傾斜のスラブ。
1Pの簡単な登りやけど、ピーク付近はガレ場です。
登攀ルートの下は、子槍のアプローチ路です。
岩を落とさないよう要注意です。
曾孫槍ピークから10mほど歩けば孫槍の取り付きです。
やや急な傾斜の浅い凹角から取り付き、その上部はクラックが走る緩傾斜のスラブ。
右上した後、曲がるのでロープの流れが悪くなりましたが、50mロープいっぱいでピッチを切りました。
見上げれば、頭上には槍の穂先が!
孫槍に登れば、もう小槍は見下ろす高さです。
槍の穂先にいる登山者の声も聞こえます。
子槍はクライミングシューズを履いて登ったんですが、曽孫、孫は登山靴で登りました。
弱点を探し、大きく屈曲するルートを選んだことで、若干ロープの流れが悪かったです。
孫槍登攀中、突然”ぐわぁん”って、孫槍が揺れたので、一瞬めまいかな?って思った瞬間、足元でめちゃくちゃ大きな落石が発生し、槍ヶ岳山荘付近にいる人の悲鳴が聞こえました。
地震です!!
以降の登攀はさらなる浮石や、またいる地震が来るか?と気になりペースがあがらん。
孫槍のピークにはしっかりとした支点があり、多くの人は、そこから大槍との間のコルへは懸垂下降するようです。
しかし、ひと手間増えるので、そのまま7〜8mほど緩いナイフリッジ渡って大槍の取り付きへ向かうことにした。
ただ、それやとセカンド渡るときに滑落する危険があるので、捨てスリングをセットしてきました。
さて、ラストピッチ!
その後は大槍ピークまで緩傾斜。
めちゃくちゃ簡単な登りやけど浮石がめちゃくちゃ多く、すぐ右下には一般登山ルートがあるので、絶対に岩を落とせない。
加えてさっきの地震もあり、足を置いただけで、ガラガラガラって崩れます。
しかも、50mロープではちょっと長さが足りず、大槍の直下でピッチを切りました。
セカンドには、浮石が多いので、左寄りを登るように伝え、そのまま山頂に行かせました。
依頼主の念願が叶い、バリエーションルートを登って槍ヶ岳登頂です。
振り返ると、槍ヶ岳に登頂した後、西稜を登るもんじゃないですね(笑)
腕も足も体も疲れ切っているのがよくわかる。
ルート的には、子槍には中間支点、ハーケンが豊富です。
でも、曾孫槍~孫槍~大槍には、ビレイ点を意外、残置の中間支点はありません。
子槍は、クライミングシューズで登ったけど、曽孫槍〜大槍は登山靴で登りました。
登山靴で登れますが、若干グレード上がります(笑)
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