今回、選んだ場所は、阿弥陀岳北稜。
アプローチ時間、登攀時間が短い、小同心クラック、大同心南稜、阿弥陀岳北稜は、八ヶ岳入りした初日に取り付きやすいし、グレードも低いのでお勧めです。
猪熊さんちを出て、茅野駅で仲間をピック、八ヶ岳に向かい手際よく支度を整え入山。
ここ数日の寒波で、すっかり冬となった八ヶ岳。
薄曇りで冷え込みも激しいけど、一昨日の空木岳に比べたらまだマシかな?って思っていた。
行者小屋でテントを張って、登攀準備を整え、阿弥陀岳北稜を目指す。
さすが八ヶ岳、風景はすっかり厳冬期(笑)
行者小屋から約1時間で北稜とりつきに到着。
ちょうど、先行1組(3人)が取り付いていたけど、阿弥陀岳北稜は2ピッチ+歩きで終了する超初級やし、特に何も心配することもなく、待機した。
いよいよ、俺らの番。
リード(先行)は、みゆきちゃん、先週小同心クラックをオールリードした女の子。
ビレイ(確保)は、石原。
おれは、調整も兼ねて、確保無しのフリーで登攀することとした。
みゆきちゃんが、リードで登攀を開始し、その7~8m後からおれが追従するスタイル。
おれが終了点に到着する頃には、先行者のセカンドが出発したので、みゆきちゃんは、セカンドの石原をビレイする準備を始めた。
何気なく、手つきを見た瞬間、”これはあかんな、、、”って思った。
風も強く、日も暮れて、寒くて震えがくる。
そんな中、益々焦ってビレイシステムが作れない。
下に居る石原も寒いのか、無線で『どうなってますか?登ってもいいですか?』と、急かしてくる。
さすがに、おれも痺れを切らして助言し、無事石原が1ピッチ目を登ってきた。
登ってきた石原は、ガクガクと震えているし、日はすっかり沈み辺りは真っ暗、おれがリードして登っても意味ないし、これ以上はダメと判断して、撤退を決意。
阿弥陀岳北稜は、山頂に向かって左側から巻けるんです。
なので、クライムダウン(と、いうほど急でもない)するまでもなく、下れるんやけど、2人状況を見て、懸垂下降させることにした。
おれが懸垂下降の準備を整え、ロープダウン。
震えの止まらない石原を1番に下す為、「お前から下りろ」と指示。
手際よく、懸垂下降を始めた。
ところが、途中で引っ掛かっているロープの絡みを取る処理もせず、中段まで下りたので、ロープが引っ掛かり流れない。
「何で引っ掛かったまま行くねん!ロープの処理しろよ!」と言うと、『登り返します』と。
で、結局また登ってきて、引っ掛かったロープを無作為に引っ張り落とす。
そして懸垂下降し、また中段でモタモタ。
さすがに、俺も、みゆきちゃんも寒さの限界に達したので、巻き道から1ピッチ目開始点まで下りることとにした。
そこで見た驚愕の事実!
石原から先のロープは絡まり、もはや収集付かない状態。
その絡まったロープが原因で、石原が懸垂下降を続けることが出来ない状態。
「ロープ切れ!」と言ったら、『デバイス外します』と。
終了点のシステム構築を忘れたみゆきちゃん、丁寧にロープを処理せず絡まり行き詰った石原、いろいろな最悪を想像したら怖くなったし、腹が立って怒鳴り散らした。
これでよく一緒に行きたい、行きましょうと言えたもんやと呆れたので、翌日の登攀も中止を伝えた。
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