テントの選び方

山岳ギヤってどうやって選んでいますか?

雑誌で読んだり、口コミを参考にしたり、今使って感じている不満点を次買うときに活かしたり。
でも、山岳ギヤってめちゃくちゃ高価で簡単に買えないし、買い替えられないですよね?

こんなはずじゃなかった、、、って、失敗を少しでも減らして、使い続けたいって俺は思います。

今回は、最近よく聞かれる”何で今のテント(シングルウォール)を選んだんですか?”について話します。
※個人的な感じ方であり、他のテントを否定しているわけではありません。


▲キルギス共和国クーヒ・ガルモ、標高6,100m(C3)でも快適でした。

シングルウォール?ダブルウォール?

これはテントの構造の事で、要は壁が一枚か、二枚かってこと。
シングルウォールと、ダブルウォールのメリット・デメリットは相対的と考えていいと思います。
 
シングルウォール
メリット・・・手早い設営。コンパクト。
デメリット・・・前室がない。結露が心配。

壁が一枚なので、透湿性と防水性は共存できません。
理由は分かりますか?
透湿性を重視すると、雨が染みて雨漏りするし、防水性を高めると外からの雨も防ぐけど、内側からの湿気も抜けず、結露が大発生しますし、前室がないので、雨の日にザックを置いたり、靴を置いたりできません。

ダブルウォール
メリット・・・結露が発生しにくい。前室がある。
デメリット・・・嵩張る。設営の手間。

壁が二枚なので、それぞれが透湿性と防水性の特化を活かすことができます。
フライシートや外張りの防水性を高め、且つ、インナーをメッシュにして透湿性を高めることが出来ます。
そして、前室があるので雨の日にザックを置いたり、靴を置いたり、調理するってことも可能です。


▲前室があれば靴などの荷物を置くことができます。


▲急な悪天候でもこのとおり。

スリーブ式と吊り下げ式

スリーブ式
テントの型に併せて、スリーブが弧を描いています。
撓る(しなる)とはいえ、まっすぐのポールをスリーブに通すのは手間です。
あるメーカーのテントはとても設営しにくかったのですが、最近吊り下げ式に変わりました。

吊り下げ式
四隅にポールを挿して、あとは吊り下げるだけなのでめちゃくちゃ簡単。
特に強風時は、先に四隅(風上側二隅でも可)をペグで固定してから、ポールを立てれば設置しやすい。


▲これおれのテント♬

出入口の場所

長辺側
荷物の出し入れ、人が出入りがしやすい。
仲間と寝ている時に入り口側の人を跨ぐようになる。

短辺側
荷物の出し入れ、人が出入りしにくい。
仲間と寝ている時に、人を跨がなくていい。

その他

ハンギングループ・・・小物入れを吊ったり、乾かすものを吊ったり用途はいろいろあります。


▲100均の洗濯ネットを取り付けて小物置にしていますが、室内で調理するときは蒸気濡れることになるので注意が必要です。

また、頭上にループがあれば、クッカーを吊れるので、不安定な場所でも水平を保ち調理しやすいです。


▲特に雪山や海外高峰では不安定な場所が多いので、このシステムは大活躍です。

防虫メッシュ・・・暑い日でも出入り口を開けておくことができます。


▲南米最高峰アコンカグアのC1(標高5,300m)でも、日中は暑くて開けていました。

大きく分けるとこんな感じかな?って思います。

さて、最初に書いた、”何で今のテント(シングルウォール)を選んだんですか?”ですが、結露問題や、前室有無の使いやすさを考えて、数年前までは海外遠征でも、ダブルウォールのテント一択で使用していました。

しかし、海外高峰での悪天候で怖いぐらいの強風が吹き荒れた時、外張りを被せることが出来なかったんです。
ひとりでテントを設営するのは至難の業でした。

メジャーな山域では、他の登山隊がたくさん入山しているので、助けてくれることもあるのですが、単身で挑戦しているので、今まで手助けの申し出を受けたこともありません。
↑ここ重要 ( ´∀` )笑

それに、手助けしてほしい時に、タイミングや場所が悪く本当にひとりとか、周りに他の隊が居ても『おまえに構っている暇はない!』って、登山隊の場合も想定しないと、、、。

そんな理由もあり、少しでも設置しやすくするには??って行きついたのが、結局、シングルウォールの吊り下げ式でした。
ただ、上記したように、結露問題などデメリットが多々あります。

それを解決してくれたのが、
HCS(プロモンテ)のVBシリーズ
です。

特記するなら、東レと共同開発した生地がすごい!
防水性と透湿性の両立は難しいですが、なんと!この生地自体が湿気を吸う吸湿性があるんです。

実際に使用したインプレッションは、ここを見てください。
これは、キルギス共和国(クーヒ・ガルモ)で使用した時の状況で、使用環境は、高い所で標高6,100mのC3、低い所で標高4,100mのベースキャンプでの設営。
気温は大体ですが、20℃位〜−10℃位の環境です。

テントの詳細は、HCSホームページを読んでもらった方が早いと思います。

また、よく相談を受けていた高身長の人向けの、VBロングも発売されました☆

そして、なんと言っても改造できるんです!
その改造のおかげで、プチ前室が作れます!
改造内容については、以前の記事(テントを改造した話)を見てくださいね。

以上、テント選びの参考になれば幸いです。

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