昨日も早い時間に寝たのに、朝仲間が声を掛けて起こしてくれても、身体が動かん、、、。
ただでさえ低血圧で朝が弱いのに、マイナス20度近い気温では身体がすぐに動かん、、、。
以前、講演した時の質疑応答で『登山をやめたくなることありますか?』と、聞かれて、迷わず「朝が辛くて、毎朝止めたいと思います。」と、言って会場の皆さんに笑われたけど、笑いごとでないくらい毎朝辛いんです(笑)
2時間掛けて作ったキャンプ2は、いざという時の隠れ家になるので、下山するまで残しておきます。
スノーシュー履いて、出発したんやけど、出だしから急登。
熊笹の上に積ってる雪が少なく、熊笹が完全には押し潰されておらず、さらに締まっていない乾雪。
踏み抜くと、胸まで落ちるし、スノーシューが笹で滑って、中々登れん、、、。
どんどん体力が奪われていくけど、仲間が先頭でラッセルしてくれるから俺はまだマシ。
ふと、”なんか、緩やかになったなぁ”って思っていた時、
『これ農林道ですね!』
仲間がそう言った。
車幅約4mの緩やかな道。
『伐採する重機が通った道ですね。伐採後、最初に生えてくるのがハンの木なんですよ。』
確かに、傾斜の緩い道にはハンの木しか生えてない。
上まで続いてたらいいなぁって、話しながら標高を上げたけど、標高1,100m辺りで農林道は終わった。
また、締まってない雪の面倒な急登が始まる、、、。
樹林帯で周りの景色が見えない中、黙々と登るんやけど、全く進んでない気がする。
でも、気が付けば、今まで見上げていた周りの尾根が見えてきた。
登っているときは、ちょうどいい体温やけど、休憩する度、体温を奪われる。
面倒な熊笹&乾雪の斜面では、3歩進んで、2歩下がる。
初日から先頭に立って歩いてくれている仲間に申し訳なくて、
「拓ちゃん、先頭変わるで?」って言ったら、
『こんな事、片山さんにさせられませんよ。』って、この笑顔。
サイコーかよ!♬
そんなこんなで、名も無き尾根を登っていると、気温の低下と共に景色が変わりだした。
この霧氷どうよ??
今日は早く尾根に出て、少しでも幌尻岳に詰めておかないと、
”7日(明日)、8日(明後日)は天候が悪化する”って、ラジオで言ってた。
なので、霧氷を堪能をすることなく、先を急ぎ黙々と登った。
突然っ、
『1533ですよ!稜線ですよ!』
その声に、ふと見上げると、仲間が稜線に立っていた。
1,533mからは、写真では伝えられない、見事な景色が見えた。
時間は、14時半。
あと一時間くらい歩き、行程を詰めて、雪庇探して雪洞掘るか、今、ここにあるドでかい雪庇で雪洞掘るか。
仲間と相談し、この場所で雪洞を掘ることにした。
つまり、翌朝は、さらに早起きしてサミットプッシュすることになる。
でも、そうと決まれば、雪洞作り開始!!
雪庇を掘って、グランドレベルを決め、ひたすら掘り進む。
北海道の雪道は、高床式タイプなんです。
入り口を一段下げることで、風が吹いても雪洞内に吹き込み難く、暖かいんです。
入り口の大きさは小さくした方が、寝る時に入り口を塞ぎやすいです。
3日ぶりに電波の入る場所を発見!
電波を拾っていると、日が沈みだした。
北海道は15時には日が沈み、16時半には真っ暗になります。
日中でもマイナス20度の環境では、寝袋とシュラフカバーの結露も凍りっぱなし。
計画では、予備日も入れて1/10までなので、10日までの食料があります。
献立はすべて、仲間が決めてくれました。
2日目のスープカレーもおいしかったけど、今日は、かに玉と中華スープ♬
ところが、生卵が凍って殻が剥けない(笑)
やむなく、かに玉(たま)無しと、中華スープになりました。
夕食後、ラジオで聞いた天気予報は、”北海道全域で雪を降らせて、風が強くなる”とのこと。
明日は、予定通りサミットプッシュ。
ヌカビラ岳から、幌尻山頂まで、往復7時間。
マイナス8度の雪洞の中、気分良く眠りについた。
乾雪やけど、熊笹の踏み抜き登山と違い、順調に幌尻岳へ。
次回、”幌尻岳サミットプッシュ”は、ここをクリック。
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