沢泊追加!その一泊が生死を分ける苦行に!

朝ごはんも、静穂ちゃんたちが作ってくれた。
さて、今日は脱渓して野口五郎小屋へ向かう日。

予定より1日早い到着になるけど、果たして泊めてもらえるのか?
最悪の場合は、寝静まってから食堂で寝かせてもらう作戦で行くしかない(笑)。

そんなことを考えながら、遡行をスタート。

気がつけば、かなり渓相が変わってきた。

川幅もどんどん狭くなり、水量も激減している。

泊地から約3km。

4時間ほど歩きながら、五郎池へ上がれそうな目ぼしい沢を探す。

しかし、なかなか見つからない。

登高図を確認しながら探してみても、それらしい沢筋が見当たらない。

以前、野口五郎岳周辺から、とてもきれいな五郎池を見下ろしたことがある。

そのとき、出会った登山者が、

「五郎池、あの池に降りることもできるんですよ」

と教えてくれた。

つまり、ここから脱渓して五郎池まで登り、あのきれいな池を見たあと、そのまま稜線へ上がれば、野口五郎小屋へ最短で行ける。

自分たちにとっては、まさにゴールデンルート。
ところが、その入口が見つからない。

うっそうと茂った樹林帯を前に、松村さんと静穂ちゃんが、

「ちょっと確認してくる。コンパスで読むから道に迷うことないけど、沢に出てこれん時は笛で合図する」

そう言って、茂みの中へ分け入っていった。

しばらくすると、二人が戻ってきた。

「あかん、見つからへん。樹林が深くて、目印になる稜線が見えへん」

五郎池へ抜けるルートを見つけることができなかった。

さらに、松村さんの膝の調子も悪く、ここから野口五郎小屋まで進むと、到着がかなり遅くなる可能性がある。

そして、今いる場所は、少し整地すればちょうどいい泊地になりそうだ。

ここで、かなり早い時間ではあるけど、今日の遡行を終了することになった。

整地してテントを張り、着替える。

ネオプレーンの靴下を脱いで沢に足を入れると……

「冷たっ!」

めちゃくちゃ冷たい。

そこで改めて実感した。

ネオプレーンソックスと沢靴って、すごいんやなぁ(笑)。

そして……

昼寝(笑)。

今は昼やから、昼寝。

かなり寝た。

目が覚めると、焚き火が点いていた。

今日の夕飯は、全員の持ち寄り。

翌朝の食料を残して、きれいになくなった。

やることもない。

しかも、ここは沢の本筋に沿った場所。

沢の上流から風が吹き抜けてくるので、めちゃくちゃ寒い。

寒さに耐えられず、寝袋に入った。

そして夜中。

トイレに起きると、焚き火の前に二人が座っていた。

「寝てないんかな?」

そう思ったけど、こっちは寒いし眠い。

用を足したら、すぐにテントへ戻った。

ところが……

寒すぎて、寝られない。

持っている服を全部着込む。

着ることができないものは、寝袋の中に入れる。

それでも寒い。

まったく寝られない。

真夏の北アルプス。

沢筋って、こんなに寒いのか??

浅い眠りで、寝たり起きたりを繰り返す。

そして、4時間ほど寒さに耐えて、ようやく朝を迎えた。

3泊目が寒すぎて寄り添う(笑)

朝起きたら、松村さんはライフジャケットまで着込んだフル装備(笑)

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