黒部川・上ノ廊下を断念――増水で転戦した東沢谷

夜中、トイレに起きたときも、雨はまだ降り続いていた。

「上ノ廊下、行けへんかもしれんなぁ……」

そう思いながら朝を迎え、起きてから情報を集めると、やはり上ノ廊下は濁りが出ているらしい。

小雨とはいえ明け方まで降り続いていたので、水量も多いだろう。
昨晩の情報どおり、今日は東沢谷へ転戦することにした。

東沢谷は、奥黒部ヒュッテから左右に延びる谷の一つ。
その末端から遡行を開始する。

……まあ、単に情報がないだけなんやけど(笑)。

遡行を開始してすぐ、ゴルジュになった。

そして、とにかく水がめちゃくちゃ綺麗!

ただ、このときの水量が多いのか少ないのかは分からないけど、今の水量では、とても突破できそうにない。

大岩に登って高巻きできるラインを探してみても、突破できそうな場所は見つからない。

地形図を読んで探ってみても、どこから先へ継続できるのか分からない。

すると、「赤牛岳へ向かう登山道を進んで踏み後を降ればいい」と教えられ、大きく高巻いていく。
言われたとおり、途中で踏み跡を発見。

どうやら、ここから谷へ降りられるらしい。

そして、ようやく入渓を果たした。

ここからしばらくは、高巻きとへつりを繰り返しながら遡行を続ける。

今日の目標は、標高1,900m付近。

きれいな水を渡渉したり、岩壁をへつったり。

もう、楽しすぎる。

途中では、オオサンショウウオの稚魚も発見した。

オオサンショウウオの稚魚。

天気が良すぎて暑いけど、水は程よく心地いい。

荷物は重いけど、沢登りなら水を担ぐ必要はない。
暑くなったら、そのまま水に入ればいい。

最高や!

気がつけば、あっという間に昼を過ぎ、夕方が近づいてきた。

沢登りでは谷の中を進むことが多いけど、ここ黒部も同じ。
太陽が尾根に隠れると、一気に谷が薄暗くなる。

「そろそろテント場を探そう」

そう思いながら遡行を続ける。

途中、休憩の合間に竿を出してみると……

釣れた!

初めて自分の竿で釣ったらしい。

手のひらより大きい。

釣った魚の卵。これ調べたらめちゃくちゃレアで幻の卵らしい。

自分の竿で魚を釣ったのは、これが初めてらしい(笑)。

イワナ?
ヤマメ?

……よく分からんけど、うまそうや。

さらに遡行を続けていると、めちゃくちゃええ場所に砂地を発見。

「ここにしよう」

今日のテン場をここに決めた。

薪を集めている間にテントを建て、物干し用のロープも張る。

そして、いよいよ夕飯。

静穂ちゃんが、いろんな食材を担いできてくれていたけど……

静穂ちゃんが釣ったこの魚も激うま!最高の塩加減と焼き加減で骨も頭も尻尾も食べた。

このソーセージも激うま!

カバオfilmの松村さん

2泊目の宴、開始やん!

静穂ちゃんが用意してくれた食材。シンプルやのに激うま!

やっぱり川魚がうまい!

骨も、尻尾も、頭も、全部食べた。

沢を歩いて、魚を釣って、その場で食べる。

めちゃくちゃ楽しい一日やった。

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