阿弥陀岳北西稜

3年くらい前からずーっと登ってみたかった阿弥陀岳北西稜
何度か計画したんやけど、予定が合わなかったり、雪が少なかったり、登攀渋滞で諦めたり。
やっと、念願叶って挑戦する日を迎えた。

6時に赤岳山荘駐車場に到着し、支度を整え、6時半頃スタート。
美濃戸口から南沢を歩くんやけど、北西稜の分岐までただ歩くだけ。

途中、大同心が大きく見える。

大同心だけでなく、小同心のクラックがはっきりとわかる。

北西稜への分岐で少し休憩してから、北西稜に向けて登山開始。
埋まったトレースを頼りに進んだんやけど、早々にトレースが消えて、気が付けば違う尾根を登っていた(笑)

消えかけのトレース。

等高線とGPS見ながら、ルートを修正して北西稜を登る。
この修正が大変で、沢筋の深い雪では腰ラッセルや、吹き溜まりでは胸まで落ちて、体力と時間を削られた。
と言っても、早々に仲間がラッセル変わってくれたけどなっ(笑)

仲間がラッセル変わってくれた。

標高をあげ、森林限界を越えると、背後に硫黄岳、横岳、左手には赤岳の大展望。

大同心と横岳山群。小同心クラックもよく見える。

赤岳

森林限界を超えたくらいから、ナイフリッジが始まる。
Ⅱ級のリッジが、40m、40m、50mと続くので、アンザイレンした方がいいらしいけど、ここでロープを繋ぐくらいのレベルなら、撤退した方がいい。

<以降は、帰宅後の復習も交えて記載>
阿弥陀岳北西稜のグレードは、Ⅱ級上 ⅣA1(A0)で、砦のように聳える上部岩峰は見栄えも登り応えも充分らしい。

1P(ピッチ)目Ⅲ級、バンドを右に15m程トラバースして、そこから階段状の草付きフェースを登るらしんやけど、事前に予習をしていない俺は、難易度の高い、更に右の凹部を登ったので、勝手に、Ⅲ+級って思っている(笑)

終了点が分からず、登り詰め、50mロープいっぱいで終了点を作成。
あと5mあれば、核心の大岩峰下のビレイポイントまであがれるから、次は、60mロープを使った方がいいと思った。

大岩峰下の終了点わかりますか?

中途半端終了点から少し登った所。登ってきた尾根がよくわかる。

登攀してきた仲間。因みに仲間が持っているのがアックス。

中途半端終了点から、仲間が登攀開始。

『かたやん!これ左(大岩峰を左に巻く感じの)ルートじゃないの??』

「左ちゃうみたいですよ?右のチムニー(クラック)が正規ルートっぽいです。」
↑適当なことを言った(笑)

核心の登攀開始。

『ここあってる?難しいよ?』

「あってます。ガンバ!」
って、言ったものの本当にあってるいるのか?は、謎(笑)

手こずっている上に、微妙にクランクしたロープの流れが悪く、仲間がストレスを感じながら、核心の大岩峰を抜けたので、いよいよ俺の番。

中途半端終了点から、岩峰下の終了点までは、余裕やったけど、チムニー下に行く2mほどのトラバースが、高所恐怖症の俺にはめちゃくちゃ心地悪かった。

そして、核心の大岩峰チムニー。

アックスを掛ける場所も足場も少ない中、とにかく”時間を掛けずに登らないと!”って、思い登ってたんやけど、その思いが伝わったのか、ロープをぐいぐい引いてくれて、安心感が半端なかった(笑)

クラックにアックスのブレードや、こぶしを突っ込んでハンドジャム決めても、手袋が脱げそうになる、、、。体ねじ込んだり、身体で突っ張ったり、あの手この手で登攀。

先週、北海道の層雲峡でアイスクライミングをした時から、左腕を痛めてて、一時はどうなるか?って思ったけど、なんとか抜けることが出来た。

核心抜けたらロープ要らんけど、繋いだまま一般道へ。

阿弥陀岳山頂。

3年越しの思いが叶った登攀ってだけでなく、核心部を、仲間にストレスを与えることのない早さで登れたことが、何よりうれしかった。

核心部を登ってる時、カムがあったらいいな?って思ったけど、帰宅して記事を見てたら、カム必要って書いてあった(笑)

予習してないから、なんちゃってオンサイトで楽しめたことには大満足!(笑)

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