八ヶ岳東面 旭岳東稜で滑落事故

八ヶ岳はどうしても西面の赤岳鉱泉側が人気あるけど、東面は存分に雪と向き合えるバリエーションルートがいくつもある。
兵庫から美しの森Pまで、車で約6~7時間掛かる事もあり安定の寝坊。
しかし、先週の教訓を活かし、テン泊装備の重い全装でも稜線上で寝た方がいいって考え、予定を変更せずにスタートしたんけど、やはり重くてペースが上がらず、、、。

更に、今季最後かもしれない降雪の影響で先週のトレースは消えておりラッセル、、、。
結局、予定していた泊地よりもかなり手前で時間切れとなった。

この日は予報通りの極低気温でテントの中で調理したらあっという間にテント内壁に着いた結露が凍り付いた。

二日目、予定では3時起き4時スタートとしたものの、予報通りの強風で出発を遅らせた。
今日の登攀は俺たちだけと思っていたけど、2人組、3人組と泊地前を通過していった。
おかげでトレースがしっかりと出来たのでとてもありがたかった。

登り始めるも全装は疲れる。

プチ岩稜やナイフリッジ

天狗尾根ルート

富士山が見えてきた

右から巻くか、左を直登するか

直登ルート

最後の急登

赤岳と阿弥陀

まぁのんびり行こうと決めて昼頃このルート最大のクライマックスである”五段の宮”に到着した。

2人組は五段の宮の1~2段目を登攀し、3人組は五段の宮左手の草付き側を登攀していた。
2人組が3段目の登攀準を始めて間もなく『うゎっ!』と叫んだ。
登攀準備を始めていた我々が声に振り向くと、2人組が滑落してきた。リードとフォローがロープに繋がったまま回転しながら落ちてきた。

ここから落ちてきた

この折れた木がフォローにビレイに向いているらしい

1段目にぶつかって止まるかと思ったがその勢いのままさらに下に吹っ飛んでいった。
その先には3人組のフォローが居たが間一髪当たらなかった。
吹っ飛んでいった2人組は、たった一本あったダケカンバの巨木に激突したものの、その木にロープが絡まり滑落が止まった。

登攀準備をしていた我々はそのまま2人組の停止地点までロープを延ばしFXで固定、セルフを取って確保。
絡まったロープとアックスをほどき回収することができた。

登攀順、3人組のフォローに激突しなかったこと、ダケカンバにぶつかったこと等々いろんなタイミングの重なりで大事に至らなかったことは不幸中の幸いと考え、この日は全員(2+3+2人=計7人)下山することとした。

皆で下山

先行者の動画
https://youtu.be/CUklDzkC_3U?si=huCJGCnTSre9ywLb
先行者の考察
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6545204.html

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