9年ぶりの前穂北尾根

骨折の回復も良く3週間でギプスが外せたので予定通り前穂北尾根に行くことにした。
行くまではどうなるかなぁって思っていたけど、半年以上前から計画していたことや、登山を始めた頃に行った超久々のルートってこともあり決行した。

いつものタクシーで朝イチ入域、さっと支度を整えて行動開始。
台風が接近していることもあり、朝イチの上高地は人が少なく感じたけど、そう思っただけで続々と人が到着してきた。

初日の目的地は5・6のコル。
翌日の北尾根登攀に集中することと、登攀渋滞を回避することが目的。

先を急ぐこともないのでのんびりと歩いた。

徳沢園や、横尾、道中でたくさんの方に声を掛けていただきありがたい。

横尾に着くと遭対協の方々がOS-1を無料配布していたんやけど、オレに手渡してくれたのは何と大城先生。
北海道材であの三浦雄一郎さんの登山隊にも同行した有名な山岳医。

「片山くんね、きっと忘れない。猪熊(ヤマテン)と友達ってことは片山くんも変人なんだね」
「ねぇ、ぶっちゃけ遭対協の帽子ダサいよね?脱いじゃおっかな。脱いでいいよね?」

って、忙しいところいろいろ気さくに話してくれた。

さらに、横尾で声をかけてくれたのは、フェリーノジャパンの三ツ堀さん。

これから講習で北鎌に行くらしい。

横尾でしっかりと休憩を取り涸沢に向けて出発。
涸沢への道中もたくさんの方に声を掛けていただきました。

この道中、炎天下で暑すぎて牛歩。
このまま、5・6のコルに上がっても暑すぎるし、テント張っても蒸し風呂でテント内にも入れないので、敢えて涸沢ヒュッテで時間を潰すことにした。

そしたら、大城さんが小屋まで上がってきた。
声を掛けに行ったら、

「おい、片山!こっちの方が景色いいからここで写真撮ろうよ」

って言ってくれたので、もっかい撮った。

さて、15時になったので5・6のコルに向けて出発した。
前方から数人降りてきたのでどうしたのか聞いたら軽く偵察に行ったと。

5・6のコルは狭いので場所が空いているのか不安がよぎる。

5・6のコルへ

先客は1組で何とか2張り出来た。

登攀当日、3時起床4時半スタート。

五峰も四峰も歩いて登ることで時短できます。

4峰

4峰の登攀

渋滞

4峰山頂から見た3峰は予想通りの登攀渋滞。
急ぐことはないので、3・4のコルでのんびり待つことにした。

3峰

後ろから6人組がきたんやけど、このパーティーに「早く行けよ」と煽られたらしい。
急ぐなら早起きして来いって思うし、煽られて、焦って事故っても誰も責任を取ってくれないので、慌てなくていいと伝えた。

落石の多いルート。ルート外から抜いていくのはええけど、落石は起こさないで欲しい。

チムニーを下から見た図

9年前の北尾根は積雪期ってこともあり、チムニーの中を快適に登れたけど、今回はそうも行かない。
前後のパーティーは抜きたいから、チムニーに入って行ったが手強かったのか戻ってきた。

チムニーから見える窓

冬季は雪でこの窓が埋まっていて1mほどの窓やと思っていたけど、こんなにデカいとは思わんかった。
そして、2峰リッジを巻いて2峰ピーク。

二峰の懸垂

二峰の懸垂

ここで事故が起きた。
おれたちを抜いて行ったパーティは2峰懸垂を巻いて本峰に取り付いたんやけど、リードが掴んだ岩が浮石。

「だめっ、落ちちゃう!」

その瞬間、幅1m程の狭いルンゼを転がり、同じパーティ直撃した。
オレらは懸垂を終えて、無事登頂。

カメラが重くていつもみゆきちゃんの目が開いてへん(笑)

落石を受けた彼らも見たところ重症ではなさそうなので安心した。

おれらは、このまま上高地に降り、そのまま上高地を出る予定。
山頂でパッキングを整えて、下りを開始した。

ここからが長い。
最近、紀美子平に荷物をデポっていると熊に荒らされると聞いたが、下山中、2匹の熊がいた。
大声で叫んだら逃げて行ったけど、すでに紀美子平に餌付け状態なのかも知れん。

上高地に着くと河童橋からさらに小梨平の方までさわんど行きのバス行列ができていた。
おれらは、タクシーを予約していたので行列を横目に快適に上高地を出ることができた。

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