高所順応の試練。カルテルワインからハンカキャンプへ

朝4時、ホテルを出発。

約4時間かけてチキアン、リャマックを経由し、登山口となるカルテルワインへ向かう。

チキアンで食べた朝食。チキンヌードル。

チキアンの教会。

教会内部。

チキアンからリャマックに向かう途中、ワイワシュ最高峰のイェルパハが見えた。

カルテルワインでロバに荷物を預け、2日かけてカルアコチャ・ベースキャンプを目指す。

リャマック周辺では、2か所で入域登録と入域料の支払いが必要になる。このとき受け取るチケットは、その後も何度か提示を求められるため、無くさないよう大切に保管しておかなければならない。

遠征中は荷物を少しでも減らし、余計な作業を避けたい。
だからこそ、この「チケットの保管」「何度もチェックされる」という手間が地味にストレスだった。

ちなみに、カルテルワイン(一般的に登山口と呼ばれる場所)で1泊し、翌日から歩き始めることもできる。

まず目指すのは、前進キャンプとなるハンカキャンプ

歩き始めて間もなく急登が始まる。傾斜そのものは特別きついわけではない。しかし、標高4,000mを超える環境では、その坂が一気に厳しく感じられる。

カカナプンタ峠手前の岩場。

カカナプンタ峠。

それでも約4,700mのカカナプンタ峠を越えれば標高は下がる。高所順応という意味では、よく考えられたルートだと思う。

この道はワイワシュトレッキングの定番ルート。多くのツアー客や、荷物を運ぶロバ、アリエロ(ロバ使い)が絶えず行き交っている。

休憩しながら登っていると、一頭のロバが完全に立ち止まっていた。
さすがにロバでも、この標高と荷物はきついのだろう。
ロバ使いが引っ張っても、声を掛けても動かない。さらにバランスを崩して倒れかけると、3人のアリエロが慌てて支えに走った。

結局、荷物を一度降ろして休ませ、改めて積み直して歩き始めていた。

ようやくカカナプンタ峠へ到着すると、先に着いていた仲間が待っていた。

風が強く吹き抜け、日が陰ると一気に寒くなる。
仲間は先に下っていったが、私は高所順応のため、しばらく峠に残ることにした。

とはいえ、寒さには勝てない。
30分ほど滞在しただけで、私もハンカキャンプへ向けて歩き始めた。

「あの尾根先を回ればキャンプ場が見えるだろう。」

そう思って歩き続けるものの、何度尾根を回ってもキャンプは現れない。
期待を裏切られ続けるたびに気持ちは萎え、実際以上に長く感じた。

峠からキャンプ場までは約5km。歩行時間は約2時間30分だった。

キャンプ場手前には、またしてもゲートがあった。
ここでも入域料を支払う必要がある。
しかし、財布はロバの荷物の中。当然、手元には現金がない。

「帰りに払ってもいい?」

そう聞くと、係員は快く了承してくれた。
そのまま歩き始めると、前方から仲間がこちらへ向かってくる。

「お金ないやろ?『お金を持っていない日本人が来るけど、あとで払うから通してあげて』って聞いたから、払いに戻ってきた。」

ありがたかった。

5日ほど前からワラス周辺の山で高度順応をしていた仲間は、疲れた様子もなく軽快に歩いていた。

ようやくハンカキャンプに到着。

仲間は夕食の準備を始めたが、私はもう動く気力が残っていなかった。

「ちょっと横になるわ。」

そう言ってテントに入ったまま眠ってしまい、目が覚めたときには朝。
遠征中、楽しみにしていた“ハニーバターチキン”を食べ損ねた(笑)。

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