穂高岳コブ尾根

仲間から聞いて気になっていた”コブ尾根”に行ってきた。

ヤマップの軌跡

土曜朝イチで上高地入りし、準備を整え5時半に登山開始。
まずは、岳沢小屋まで緩い登山やけど、全装は地味に堪えます。

上高地からコブ沢を見ると上部に小さな雪渓が見えたので水が汲めると判断したけど、心配な方は岳沢小屋で買った方がいいと思います。

岳沢小屋から天狗沢方面に歩いてすぐにある最初の枯れ沢がコブ沢です。

いい場所を見つけてコブ沢を登っていくと枯れ滝が出てきます。
どこを通ってもガレているので適当に登っていったのですが、スラブ質な岩に乗ったガレと砂利が心地悪かったです。

途中、大きなチョックストーンが乗った滝が出てきます。
その一段下にある水場が最後の水場でした。

大きなチョックストーンの左手(右岸側)を登ったのですが、ここも心地悪かったのでロープを出しました。

しばらくコブ沢を詰めていくと雪渓に行き当たりました。
この雪渓が上高地から見えていた雪渓です。

この雪渓の場所から沢が二股に分かれます。
ここが残雪期にS字雪渓と言われる場所です。

右の赤みを帯びた岩質の沢の方が登りやすく見え、コブ尾根方向なので入り込みそうなるけど、ザレた石が乗って見るからに悪い。

なので、左の沢をもう少し奥に詰める必要があるようです。

左の沢を詰めるとすぐに3m程の枯れ滝が出てきます。
状況によっては簡単ですが、私たちが行った時は割れた岩が剥がれそうなことと、全装の重みで岩から剥がされそうになることもありロープを出しました。

その後、右手にある枯れ沢に入ります。
この枯れ沢は出だしこそ悪いですが、ぐんっと標高を上げることが出来るので快適です。
ひたすら登っていくとコブ尾根の稜線に乗ります。


 
稜線に乗って付近を見渡すと、明神~前穂~奥穂、西穂~間ノ岳、はるか先には富士山まで見えました。

そして進行方向にはマイナーピークが見えます。

マイナーピークが近付いてきた。

マイナーピークからの数mは残置も豊富なのでクライムダウンができるけど、けっこう険しいので懸垂下降が無難です。

振り返ってマイナーピークを撮った。

マイナーピークからの懸垂下降を終えると登り返しは稜線通しのハイマツの中よりも、その左手にあるルンゼを登った方が登りやすかったです。
そして、そのまま進むとコブ尾根の核心“コブ岩(コブの岩場)”です。

ロープを出さなくても行けるかな?と思って取り付いたけど、高度感のある夕暮れなので登り切ってから後続にはロープを出しました。

コブ岩の中段でビバークかな?って思っていたら、何とそこは大きな岩室になっていました。三方を岩で囲まれたところに大きな岩室があるので風よけも完璧です。

さらに先人たちの痕跡で要所が丁寧に整地されていました。

晩ご飯を食べながら、目の前には夕暮れが進む前穂と明神の大パノラマでした。

さて翌朝、登攀再開です。

岩室に向かって左手のチムニーを登ると岩室上に出ることが出来ます。
ここもテラスになっているのでビバーク可能です。

こっちも行けるらしい

岩室上テラスから右のチムニーを登ったけど西穂側からも登れるらしい。
ま、バリエーションルートなので好きなところを登ればいいと思います。

コブ岩の頭を先端まで行くと懸垂下降です。
残置は豊富ですが、私たちはデカいピナクルから懸垂下降しました。

記事を読むと『三段降りると40mロープで懸垂下降』とか、『二段降りると、、、』とか書かれていますが、残置が豊富すぎて何を以って一段としているのか分からないので、デカいピナクルを起点にした方がいいと思います。
デカいピナクルから50mロープで一発でした。

コブ岩の頭から懸垂下降した後は標高差で100mほどの登りです。
途中、小ピークから5mくらいの懸垂があります。

正面には奥穂~ロバの耳が見え、稜線を歩いている登山者の話し声も聞こえてきて、いよいよ穂高の主稜線が近づいてきます。

ガレが多い草付きもあり、念のため支点を取りながら4人コンテで進みました。
斜度は大したことないけど、かなりのデカさの岩が動くので最後まで注意が必要です。

登り切って平らな場所に出るとそこがコブ尾根の頭。目の前にはジャンダルム
ジャンダルムの目の前に飛び出る最高のルートでした。

下山は天狗のコルまで行き、そこから天狗沢を下降。
その内容は、いろんな記事が書かれているので省略します。

つぎは雪がある時に登りたい。

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