一般道最難関残雪期単身達成

前回”西穂~奥穂間再挑戦”はここをクリック

朝3時起床。準備し4時に出発しました。
先週のGWにたくさんの遭難者が救出されたし、ザイルパートナーのFBでも緊張の連続と書かれていたので気合を入れて出発しました。

丸山~独標手前まで雪が無くなっていました。

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予定よりも早く独標に到着。
前回なんで怖かったのか分からないくらいあっさりと山頂に到着。

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▲後ろに写った笠ヶ岳にもいつか行きたいです。

そこから先は初体験。
ピラミッドピークも予定より早く到着。

そして、西穂高岳山頂。

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▲ここまで来ると遠くに槍ヶ岳、そしてこれから目指す奥穂高岳が見えました。

本格的な上級者ルートはこの先です。
気持ち新たに進みだすとライチョウが居ました。

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▲岩の上にいるライチョウわかりますか?

初めてライチョウを見たんですが、近づいても逃げないんですね(笑)

緊張していた時に見れたので一瞬心が和みました。

間ノ岳手前で追いついてきたおじさんがまさかの一言・・・。

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『すいません。ルート分からないので教えてください』

良く見るとアイゼンなし、ピッケルなし。
こういう人が遭難するんだろうな~って思いました。
関わりたくないですね!

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岩稜の登下降で緊張の連続なのでこの辺りから写真の枚数が激減します。

そして、写真は一気にジャンダルムに(笑)
※ホント余裕がなくて写真がありません。。。

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本来(夏なら)ジャンダルム下を巻いて先に進むのですが雪が付いています。
雪渓の幅は10mくらいです。
その傾斜は急で下を覗くと見えないところまで切れ落ちています。

”どうしよう?トラバースするか?ジャンダルムの山頂に登り懸垂下降で降りるか?”

あとで動画を見て分かったのですがこの場所で15分位悩んでました。
自分ではそんなに悩んでいた感覚はないのですが、今思えば相当の決断だったんだと思います。

(動画を見ると、悩んでいたのはこの場所だけでなく、滑落したら800m以上落ちていく傾斜の急な雪渓を通るか、岩壁を登るか等、要所・要所で永く悩む場面がありました。それくらい厳しい決断を迫られたルートでした。)

さて、時間も押しているし、手間を考えジャンダルム下の雪渓をトラバースすることにしました。
で、案の定この場所で滑落しかけました。

厳しいトラバースでした。。。

この場所を抜けると次は切れ落ちた雪のナイフリッジの連続。
緊張してすすんでいくと無造作に置かれているザイルが。。。

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▲このザイルが恐怖心をあおります。

ジャンダルムを抜けるとガスが晴れました。

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▲ここを抜けてきたなんて。。。

奥穂山頂がみえましたが、本当に本当に最後の難関、馬の背とその手前の最後のナイフリッジです。

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▲両サイドが切れ落ちた最後の難関です。

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▲槍ヶ岳と雲海

行動時間15時間。

やっと奥穂山頂に到着。

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最高の景色が迎えてくれました。

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▲ジャンダルムと夕日

朝4時に西穂高山荘を出発、奥穂高岳に到着するまで15時間の山行は気力体力共に果てました。
今年は雪が少ないと言われているけど、例年通りの積雪だったとしたらとても踏破できるとは思えないくらい高度で緊張の連続でした。

ルート選択、雪質の見極め、岩稜クライミング技術、気力、体力全てにおいて格段に経験を積むことができましたが、その一方で、自分に不足している部分を思い知った1日でもありました。

単独ということもあり、両サイドが数百メートルもキレ落ちた雪付きのナイフリッジ(幅20cm程度)を渡るときも確保なし。
ルートを相談する相手もいない。

全て自分で判断し進む状況の中、15時間も緊張感を維持することはとても難しくつらいものでした。

一言で表すなら「二度とこの挑戦はしたくない!」です。
結果的に生きて帰れただけなので・・・。

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